健診で「異常なし」でも、食生活の土台は見直せる

健診で「異常なし」でも、食生活の土台は見直せる

毎日お疲れさまです。
仕事や家事が続くと、休んだはずなのにスッキリしない、以前よりコンディションの波を感じる、といったことは誰にでも起こりえます。
ただ、こうした感覚があると健康診断や検査を受けて、結果が「異常なし」になることもあります。そのときに大切なのは、結果を否定せず受け止めつつ、日常の食生活や生活習慣の見直しで改善できる余地がないかを、落ち着いて確認することです。
このコラムでは、鉄を例に「数値が正常でも、食事の組み立ては見直せる」という観点で整理します。

健診の数値は「健康の全部」ではない

健康診断は、病気の早期発見に役立つ一方で、日々のコンディションの揺れをすべて説明できるものではありません。
検査で大きな異常がないのは良いことです。そのうえで、疲れやすさやだるさなどが気になる場合は、睡眠、運動、ストレス、食事の偏りなど、生活の土台に目を向けるのが現実的です。

鉄は「足りているか」を食事で整えやすい栄養素

鉄は、体の中で重要な役割を担う栄養素のひとつです。特に月経のある人は、日々の食生活の中で意識しておくと偏りが出にくくなります。
食事の鉄には大きく2種類があります。
・肉や魚に含まれる鉄(吸収されやすいタイプ)
・豆類や野菜に含まれる鉄(工夫すると取りやすくなるタイプ)
ここで重要なのは、「野菜を食べているから大丈夫」と一言で終わらせず、食材の選び方と組み合わせで取りやすさが変わる、という点です。

鉄を取りやすくする食べ方の工夫

鉄は、食べ方の工夫で取りやすくなります。まずは次の基本だけで十分です。

1 たんぱく質食材を毎日入れる

赤身肉、レバーが苦手なら赤身のひき肉、かつおやまぐろ、あさり、卵、大豆製品など

2 ビタミンCを同じ食事で組み合わせる

野菜、果物、いも類などを一緒に

3 お茶やコーヒーのタイミングをずらす
食後すぐの習慣になっている場合は、少し時間を空ける工夫も選択肢です。

できるところから、で問題ありません。

「忙しい日」ほど、鉄が減りやすい食事になりやすい

忙しい日は、どうしても
・主食中心になる
・たんぱく質や野菜が減る
・間食で埋める
という形になりがちです。これは努力不足ではなく、生活上起こりやすい偏りです。
だからこそ、忙しい日のための"定番"を作っておくと安定します。


・納豆+卵+味噌汁
・ツナやさば缶+野菜スープ
・豆腐+わかめ+小鉢の野菜
・赤身ひき肉のそぼろを作り置き

今日からのチェックリスト

  • たんぱく質食材が毎食どこかに入っている
  • 赤身の肉や魚介を週に数回は食べている
  • 野菜や果物を「毎日」どこかで食べている
  • 主食だけの食事が続く日が減っている
  • お茶やコーヒーが食後すぐの固定習慣になっていないか把握している

注意点

・強いだるさが続く、息切れ、動悸、めまい、月経量の増加、体重減少などがある場合は、自己判断で長く様子見せず医療機関に相談してください。
・貧血の有無や鉄の状態は検査で判断されます。食事の工夫は日常の土台作りとして行い、気になる場合は医師に相談して評価を受けるのが安全です。

まとめ

健診で「異常なし」でも、食生活の土台を整えることでコンディションが安定しやすくなることはあります。
大きく変えるより、小さく整えて続ける。まずは「たんぱく質を毎食」「赤身の肉や魚介を週に数回」「野菜や果物を毎日」の3点から始めてみてください。